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シュバルツバルトな毎日

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2007年 02月 15日

悪夢の一日

今日ほどブログを書きたくない日はない。
何をやってもうまくいかない日というのが時にはある。しかし、今日は受け入れがたいほど最悪な一日だった。悪魔を一日中背負っていたような日だった。こちらに来てから3年とちょっと、何度もScheisseな日はあったが、今日はすべての希望といままでの努力を完全に無にしてくれる完璧なメニューを200%こなしてしまった。人生山あり谷あり、昨日は技師のクーバスさんとうまくコンタクトが取れて、お願いしていた真鍮板の加工がスムーズに出来た。だから、今日はあまりパッとしない一日になるだろうとは予想していた。しかし、ここまで精神的に致命傷を負うとは... これなら、仮病でもして一日家でゴロゴロ、テレビでも観ているほうが、数万倍よかった。
この3週間、微かな望みを心の支えに工場で働ける間はすべてフルに働いた。そのために家では次の日の作業手順と、先生からのヒントをもとに設計の変更など家で出来ることはほとんどした。自分や学校で出来ない加工を見極めて外注にもだした。週末は重たい時計旋盤を学校から密かに持って帰って、家で回した。時間の効率と自分の体力を考慮して、ほとんど成しうるすべての事をしてきたつもり。

今日はクラスの友達、先生の優しさを人一倍感じた。だれも「もう、駄目だね」なんて正直には言わない。本当にみんな優しい。隣に座っているジーモンは底なしにやさしく心配してくれている。ありがたくもあり、その優しさがまた辛くもある。
僕は多分この学校で今日初めて呆然として動けなくなった醜態をさらした。みんな何度もそういう魂の抜けてしまった僕を見ていた。
「Bist Du kaputt?」再起不能になった僕にヤオホ先生は話しかけてくれる。僕は機械じゃないけどKaputtなんだね、こういうときは。優しくて心にしみるけど、それ言われたらもうお終い。

明日から何を心の支えに、何を目標に仕事に取り組めばいいのか。幸い僕はこの最悪な状況の中でも、自分で設計した、または設計しているこの時計がとても気に入っている。変な癖がなくて、つまらない飾りなんかがない、その代わり技術的にとても面白い課題を包含していると思っている。もしこの時計を完成させられたら、本当にすばらしいし、みんなに堂々と観てもらうことができる。残念だがもはやその時計そのものに対する思い、その一点以外にない。

by furtwangen | 2007-02-15 09:38 | マイスター学校@Schwenningen


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