2007年 04月 04日

作品の紹介(写真付きで)

できれば、前回の記事「作品の紹介」を読んでいただいたあとに見ていただくとよいかもしれない。

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2日前に載せた写真。
ガラスケースに時計が収まっている。正面からの写真。下の両側に円い物があるが、これが巻きぜんまいの箱、香箱。自動車で言うとエンジン。2つエンジンをしょっているのです。その間に大きな円い物がありますが、それが一番大きな歯車です。およそ7日で一回転します。この歯車にSeilワイヤーを通して巻きぜんまいの動力を伝えます。必要な駆動力が余りに大きいので、1つのぜんまいでは真ん中の大きな歯車に偏った力が軸にかかり、軸がひん曲がるかも知れないし、軸受けの磨耗がはやまると判断。ぜんまいを2つにして、左右対称の位置から駆動力を供給すれば、理論的には歯車に伝わる力は回転トルクだけで、偏った引っ張り力は生じない。まぁこれは理論の話だけど、そこまで気遣ってあげればかなり軸受けにかかる偏心力を抑えることが出来るはず。
上に見える円いものが未完の文字盤。
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斜め後ろからみた写真。
巻きぜんまいは軸が固定され箱が回転することによって巻き上げられたり、ほどけたりする。しかし、軸には巻き上げるためのVierkante Aufzugschluessel四角い鍵がある。これはこの時計を組み立てるときだけ使い、組み立て終わったら固定。組み立てるときはテンプのふり幅をみながら、その振りが十分になるところまでこの鍵でぜんまいを巻き上げる。錘で駆動する場合で言うと、錘の重さを調整しているようなもの。これでもって供給する(潜在的な)駆動力を調整する。
香箱にワイヤーが巻きついている。これで、この香箱がすでに何回転したかわかる。
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斜め前からみた写真。両サイドの2つの香箱の間になにやらごちゃごちゃたくさんあるでしょ。ここにある歯車などの軸の先にもうひとつ大きな巻上げの鍵がみえます。ぜんまいはこの鍵を回転させることによってワイヤーを通して巻き上げられる。この巻上げはLaufzeit駆動時間に関わる。たくさん巻き上げれば長時間駆動する。最大33日間。このごちゃごちゃした中にSchneckeが堂々としているのが分かりますか。ワイヤーを通してぜんまいから供給される力が一定でないので、そのワイヤーを受ける側の半径を変化させることによって、その軸に生じるトルクを一定にしているのです。この部品をSchneckeといいます。大きな歯車以外にも2つの薄い歯車があります。ラチェット機構の歯車で、1つの薄い歯車はぜんまいを巻き上げるときに時計全体の歯車まで逆方向に回転しないように空回りさせるため、もうひとつの薄い歯車は普段空回りしていますが、ぜんまいを巻き上げている間だけSperren回転が阻止され、その間ぜんまいの駆動力が供給されないわけですから、このSperrenされた薄い歯車の裏側に固定された4つのバネで暫定的に駆動力を歯車列に供給します。
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歯車列を真後ろから撮った写真。
すべての歯車にはそれぞれ名前があります。
一番上から
Senkundenrad、一分で一回転、軸の先に針を付ければ秒針になります。
Kleinbodenrad
Minutenrad、1時間で一回転、この軸の先に分針がつきます。
Zwischenrad、実に安易な名前ですね。一日に2回転します。もしこの先に針を付ければ時針になります。
Antriebsrad駆動歯車、歯厚3ミリの頑丈な歯車。6.6日で一回転します。
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by furtwangen | 2007-04-04 19:26 | マイスター学校@Schwenningen


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