2008年 04月 10日

腕時計をひとつ作った!

明日がバーゼル時計メッセの最終日。
今回、僕の携った時計もこのメッセにどうにかギリギリ間に合って出品しました。メッセの始まる2週間前から初日の朝6時まで、ドイツでもこんなに働くことがあるのかと思うくらい、たーっくさん働きました。もうあの大変な追い込みから1週間たちますが、いまでも疲れが取れない感じです。寝不足も疲れの原因のひとつですが、それより、いつもはコンピュータで仕事している僕がこの2週間、10倍のルーペをつけて細かい作業をし続けた、一日平均12時間くらいそういう作業をし続けて、それで体が凝ったです。

でもがんばっただけあって、本当にいい時計が出来たです。想像していた以上にすばらしい、自分で言うのもなんですが、いろんな機能はない代わりに基本をおさえた作りで、機械時計の真骨頂みたいなのが出来たです。コンピュータの画面では、ずーっと前から予想図みたいのを見てはいましたけれど、やっぱり質感をもって目の前に現れると、ぐっと迫ってくるものがあります。会社の中でさえ誰もこんなにすごい時計になるとは思っていなかったと思います。だって、設計を担当している僕でさえ、ここまでは思わなかったから。そういう意味ではここまでこのプロジェクトを引っ張ってきた先生はやっぱすごいと思います。

実際これは自己満足じゃなくて、もう買ってくれる人が現れています。すごいことです。自分が設計を担当した腕時計が初めて、世に出るのですよ。まったくこっちに来て時計の世界でがんばってきた甲斐があるというものです。

しかし、これを口先だけでなく、完全に遂行するにはまだまだやることがたくさんあります。これから更に気を引き締めて、完璧な時計に仕上げていかないといけません。

この追い込みの騒動の間に、僕のProbezeit試雇の期間が過ぎまして、ついに本採用となりました。試雇の期間に時計を一個作ったんだから、我ながら随分がんばったものだと思います。本採用になっても相変わらず薄給で、その点についてはもう少しどうにかならんかなぁ、なんて思ってますけど、まぁともかくメシとお天道様はついて回ってきてくれてますから、あまり贅沢を言ってはいけない、当面はこれでよしとします。

0410:ちんころさん
苦労が(メッセという舞台で)報われる仕事に出会えた僕は幸せ者です。
あと何年雇ってくれるかわからないけど、出来るだけいい時計を作っていきたいです。
お見せしたいんですが、僕自身もまだあんまり見てないので、いつになるかなぁ。

H.Sutoさん
ありがとうございます。
いろいろ裏話はありますが、襤褸(ぼろ)がでますので、また追々にということで。

0411:佐々木康平さん
ありがとうございます。
時計学校で時計の勉強をしている頃でさえ、将来、腕時計の設計の仕事に携れるとは思ってもいなかったので、本当にいい仕事にめぐり合えたものです。ありがたいことです。

0412:紅蓮さま
コメントいただき、ありがとうございます。
Furtwangenの頃のことをご存知ということは、随分前から読んで頂いているんですね。ありがたいことです。
本をお書きになるというのも、クリエイチブなお仕事で、実際にひとつの本として完成させるにはいろいろなご苦労がおありだと思います。「創る」という作業は、傍からみると大した事ないように感じることもありますが、当事者となって実際にその作業を遂行し、ちゃんと仕上げるとなるといろいろなことに気を配って、精神的にも体力的にも本当に大変だと今回もつくづく思いました。
僕の場合、会社という組織の中で働いていますから、なんでも独断で決めるわけにはいかず、周りの人の意見や感性を程よく汲み取って作業を進めます。しかしそうするとどうしても物事の決定に時間が掛かり、工場で図面を待っている現場の人はイライラしてきます。しかしそういう「作業の実際」に耐えることこそが「創る」作業の本質なのかなぁ、と思ったりもします。
これからもよろしくお願いします。

0413:紅蓮さま
ご旅行は車でなさるのでしょうか。僕はいつも電車とバスで生活していますが、Triberg(始点)からFurtwangen(終点)へは7270番路線バス、乗り換えなしで30分くらいです。バスでFurtwangenへ入った場合は、直ぐに帰りのバスの時刻をチェックすることをお勧めします。本数が少ないので、下手すると、その日Furtwangenを脱出できなくなります(笑)
ブックマークの件、承知しました。僕も後日、紅蓮さんのブログをリンクさせていただくと思います。

0416:まさみさん
ありがとうございます。お久しぶりです。
あの頃はちょうどマイスター作品製作の時で随分愚痴ったような気がします。でもおかげさまで、今でもまだドイツにこびり付いてますよ。まさみさんも夢に向かって離陸の滑走路に入りましたね、おめでとう!
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by furtwangen | 2008-04-10 05:49 | 黒い森の小さな町


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