2008年 10月 08日

久しぶりのハイデルベルク

先週末は金土日と三日連休でしたので、普段は遠くていけないハイデルベルクへ行ってきました。土曜の午前までは天気が悪く、もっと厚いセーターでも着てくればよかったなぁと思うくらい寒かったです。しかし午後に5オイロちょっと払ってネッカー川の遊覧船に乗る頃になって、ようやく少しお日様がお出ましになられました。
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土曜の午後は変な天気になった。

今回の遠出には、何の目的もありません。仕事じゃないんだから、街を歩きたいように歩いて、食べたいものを食べると。ドイツ人みたいに「何しに行ったのか?」とか「なぜハイデルベルクにしたのか?」とか「お城をちゃんと観てきたか」とか、そういうドイツ人的思考の域を脱しない質問には答えられないような、そんな旅をしたかったのであります。

とはいっても今回初めて学生牢には行きました。お城は高いところにある上に、「確かあそこは入場料を取ったな」なんてケチな思いが漂いまして、結局そちらには足が向かず。

アンチーク時計屋を見つけたので、ショーケースの陳列物を一通り眺めて入店。あまり期待はしていませんでしたが、どっこい、面白い(笑)
店内は暗くて汚いですが、面白い時計があるでないですか。
面白いって、何が面白いかっていうと、壊れたままで、そこの時計屋の主人が直したいんだけど、まだ直せていないのをどんどん見せてくれる。

僕はその中で、グググッっと心惹かれる時計を見つけました。こういう掘り出し物は、見た瞬間に感じるのであります。「今を逃したら、もう出会えない」と。喉から手が出るほどほしい気持ちをグッと抑えて、「ちょっとルーペ貸してください」と頼む。暗い店内でルーペでじーっと時計の細部をみる。小さな傷なんてどうでもいい。致命的な欠損がないか探す。あった。
「テンプの軸のZapfen折れてるね」
って言ったら
「君、時計職人か?」だって。

「そうだよ」
「独立してるのか?」
「Nein」

このお店は面白そうと直感的に思ったし、これからもちょくちょく来ることを考えると、まだ、どの時計会社で働いているとか、仕事の内容なんてことは言わないほうが得策だと思ったから、それ以上は自分のこと話さなかった。

ところで、その「テンプのZapfenが折れている」というのは、機械式時計にとってかなりの致命傷なのですが、面白いことにそれでも購買欲が衰えない。その致命傷を補っても、なお余りあるくらいの魅力がこの時計にはある。

結局その時計を50オイロで買いました。次回はその時計を紹介します。

1008:H.Sutoさん
本当は作れるはずなんですけれど、なかなか容易でないです。
Zylinderzapfenの場合は、Zapfenの植替えだけで済むこともありますが、TrompetenzapfenはTrompeteの部分ごとごっそり植替えとなりますので、そうなるともう、Welle全体を作り直したほうが早いということになります。
しかし、古いWelleをUnruhから(Unruhを傷つけないように)抜き取ったり、新たに作ったZapfenをRollierenするのを一度も失敗無しに終えるのは、いい旋盤や工具が揃っていないとかなりの難儀です。
それでも、ぜひ直したい時計です。この時計が元通りに動く様になったら本当にいいと思います。
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by furtwangen | 2008-10-08 06:09 | 黒い森の小さな町


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