2009年 05月 19日

徒弟の養成は他人にまかせて...

今日はAusbildende職業訓練の教官についてです。まぁ、学校でいう工場の先生です。

僕は会社の仕事で、3人の時計マイスターと一緒によく仕事をしています。プチ上司のクリスティアンとジモーネ、それとクラウディオ。

この中で僕だけが、アツビの養成に関与していないです、なぜだかは知らないけど。たぶんドイツ語が碌にできないからでしょう。

もし、数人のアツビを世話するのに4人ものマイスターがたかる必要はないとしたら、言葉のできない僕がまず、その中からはじき出されるでしょう。

または、僕の自尊心を傷つけないように解釈すれば、細かい設計が僕のメインの仕事である一方で、アツビの養成過程ではその知識のほとんどを必要としない。だから、君はアツビの養成に首を突っ込まなくていい、とも考えられます。

いずれの解釈も僕の頭の中を堂々巡りをしているだけで、本当のところは分かりません。また掘り下げて知る必要もない。

ただ今晩書きたいのは、以前は「僕がだけが教官でない」ことを、少しネガティブに捉えていたけれど最近は、ともかく教官でなくてよかったと思っている、ということです。

徒弟養成に責任をもつ、というのは大変なことです。各養成段階で教えるべき内容が決まっているし、その習得達成度合いを評価する指針も確かあるはず。工場では手取り足取り教えてやらないといけないし、頻繁にそのための会議もある。クラウディオなんて、養成の方が忙しくて本業の仕事がほとんどできないような状態です。

出来のいいアツビならまだしも、出来のわるいアツビだと、例えば実技試験のときなんか、ほんと大変。試験で一番ヒヤヒヤしているのは、受験者アツビではなくて、教官のクラウディオです。
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限られた仕事時間のなかで、「徒弟養成」と「新しい時計を作ること」、どっちがいいかと尋ねられれば、いまの僕なら絶対、時計製作の方をとります。5年、10年経って、たくさんのアツビを育てたけれど、時計を作っていない、では、ちょっと、いやかなり悲しい。徒弟の養成が大事なのは分かっています。でもそれはもう少し後でいい。もう少し歳を取って、もっと実務経験を積んでからでもいい。いまは(徒弟の養成を他人にまかせて)時計作りに専念した方が僕自身にとっていいし、幸いそれができる環境にいるんだと、今はそうポジティブに考えるようになりました。
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by furtwangen | 2009-05-19 06:40 | 黒い森の小さな町


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