2009年 07月 17日

社内の学閥

僕が学んだマイスター学校で、今月末に「時計職人の日」という催しが開かれます。マイスター学校のOB・OGが集まって、シャンパン片手に、お互いペラペラしゃべったり、フンフンとうなずいたりするような会なのでしょう。で、その際に、卒業生のマイスター作品を展示するらしく、僕にその出展依頼がきました。あの学校を出てから2年経ちますが、まだ先生達は僕の作品のことを覚えていてくれているんだなぁ、と思うとやっぱり嬉しいです。

今日は時計学校とマイスター学校について少し書きたいです。

僕はFurtwangenの時計学校を出ましたが、この学校は時計学校として単独に存在しているわけではありません。大きな学校のなかに職業訓練学校があり、その中に精密機械工などと並んで「時計技術科」として存在しています。

卒業後のマイスター学校(マイスター試験準備コース)は、Furtwangenには設置されていないので、しょうがないからコースのあるSchwenningenに行きました。

Schwenningenにももちろん時計学校があります。Furtwangenと同じように大きな学校の一部として存在しています。規模としてはFurtwangenよりも大きいです。

この州にはもう一つPforzheimに時計学校がありますが、マイスター学校があるのはSchwenningenだけなので、この地域の希望者はみなSchwenningenに来ることになります。

しかし、マイスター学校というのは常設のものではなく、基本的にはある程度の志願者が集まったら、2年おきに開講という性質のものです。したがって、そんな学校の為だけに立派な建物や施設があるわけがなく、時計学校の一室をかりて、そこにマイスター受験志願者を集めて勉強やマイスター作品作りをさせます。

そして僕の勤めている会社はこのSchwenningenの時計学校、マイスター学校と強いつながりがあります。僕を採用してくれた社長はこのマイスター学校の非常勤講師でしたし、この会社のアツビは、理論をこの時計学校で勉強し、大事な試験もそこで受けます。

逆にこの会社からみるとSchwenningenの学校は会社の付属養成機関みたいなものです。

そのぐらい強い関係がありますから、社内にはSchwenningenの卒業生が「最大派閥」を形成しています。僕みたいにFurtwangen出身の人や旧東独で勉強した人もいますが、こういうのはごく少数です。

だから僕は時々彼らに反抗心を持ちます。

彼らは卒業後も同じ場所でマイスター講座に参加できますから、ほかの世界を知らない。そのためか、井の中の蛙で、Schwenningenの学校が一番だと思っている。でも僕はFurtwangenのこともよくよく知っています。先生のことも工場の質の高さも。彼らはマイスター学校へ進学するとき、のほほぉ~んとしていられますが、こちらはその忙しいときに引越しをしないといけない。入学すれば、学校間の「異文化」も経験します。そうやって苦労しながら、マイスター試験のための超短期決戦に臨むわけです。だから彼らとは苦労が違う(笑)

Furtwangenは学校の規模は小さいですが、そもそもSchwenningenなんかよりも歴史が長い。なんたってドイツ最古の時計学校ですから。SchwenningenはFurtwangenの分校みたいなものです。だから、まずは本校のFurtwangenをみて、それから、偉そうに物を言いなさい、と心の中でよく思っています。
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by furtwangen | 2009-07-17 08:40 | 黒い森の小さな町


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