2009年 11月 26日

重い一週間

今週は重い。

少し風邪気味な上に、昨日は歯医者さんに行ってガリガリやられたのもありますが、そういう体調面に加えて、仕事の内容が重いのであります。

仕事のことはあまり書かないようにしていますが、今日はちょっと。

今週は上等な腕時計の組み立てをしています。組み立て作業というのは、いままでばらばらだった部品が、お互い機構的な関係を持ち始めて、時計としての姿を段々と現してきます。だから本当は楽しい作業なのですが、実際はそんなにナマ易しいものではない。

なぜなら、これから組み立てられる部品が、必ずしも組み込めるかわからないから。組み立てる前からわかる寸法もあるけれど、際どい寸法は組み立ててみないとわからない。嵌め合いが若干ゆるい、とか少しきつ過ぎる。すれすれだけど触れてはいけない面が触れている。高さが若干足りない。

これらの不具合はすべて100分の数ミリの世界です。この不具合を見つけて手で調整していくために、仕事中はずーっと10何倍のルーペを使います。

これらの作業をさらに難しくさせるのは、部品の小ささと、ピカピカに輝く部品の表面です。

部品が小さいと何が難しいか、わかりますか。それは「押さえ」が難しいのです。面取り作業、ヤスリ作業、ネジ締め作業、どんな作業だって、必ず品物を「押さえ」ないといけません。まな板の上で野菜を切るのだって、包丁を持つ手のほかに、野菜を「押さえ」る手がいります。野菜は大きいからどうにでも押さえられます。でもディメンジョンが1mm、2mmの部品を押さえるのは容易でないです。

さらに研磨済みの表面を傷つけないようにしないといけません。ただでさえ部品が小さいのに研磨済みの表面をいたわってあげないといけない。もちろん直接指で触ったり、押さえたりはできません。指紋が付くのは明らかですから。この研磨された表面をもつ部品の(微調整のための)加工っていうのは、もう胃がキリキリです。

「押さえ」だけじゃない。部品を押さえる机の上は汚れていないか、保護するためのビニール表面は綺麗か。ヤスリ作業で出たクズは頻繁に取り除かないと、そのクズのために新たなキズを作るかもしれない。ネジを締めるんだって、ネジ頭の溝が変形しないようにしないといけない。研磨表面を持つ部品だって締りばめで組み込まれこともある。そういう場合はその部品を、どうしたって叩かない訳にはいかない。考えうるすべての段取りと細心の注意で作業をし続けるわけですから、一日が終るともうグッタリ。

おまけに組み立て時間のプレッシャーもあります。それからうまく組み立てられても誰も褒めてくれません。これだけ苦労して組み上げても、指摘されるのは駄目なところばかり。

まだ水曜日。まったく重い一週間です。
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by furtwangen | 2009-11-26 07:25 | 黒い森の小さな町


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