シュバルツバルトな毎日

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2008年 03月 22日

忙しいです

数日前からぱらぱら、ときには目の前の景色いっぱいに雪がふります。寒さもずいぶんがんばって、朝方は2、3度くらいまで下がります。
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今週から僕の仕事の重心が設計から手仕事に移りました。設計製図の仕事が一段落したので、今度は出来上がってきた各部品のバリ取り、面取りなどの仕事です。ただ、図面についての質問やジグつくりに必要な追加の座標など、まだ頻繁に僕に質問が来るので、作業する部屋にいるときも設計部に戻るときも、機械室に行くときもいつも図面をもって歩いています。そうやって、設計の能力と手仕事の器用さの両方をそれなりにこなせるというのが僕を採用してくれた最大の理由だと思っているので、その辺楽しく、臨機応変に対応していこうと思っています。

作業室には4つの作業机があって、そのひとつが僕にあてがわれています。残りの3つは社長さんとクリスティアン、フランツが主に使いますが、彼らは他にもすることがたくさんあるので僕ほどは常駐していません。ちなみにこの会社には全部で6人くらい時計製作マイスターがいますが、上の3人は皆マイスターの資格を持っていて、久しぶりの本格的な手作業ですが「腕に覚えあり」みたいな人間ばかりです。作業している時はみなコワイ顔して真剣そのものですが、夢中になって作業しているが故に逆に子供っぽい、子供の頃はこんなだったのかなぁ、って想像できる感じでみんな作業してます。はっきりいって今の時代に手作業できれいな面取りをさせてくれるなんて本当に幸せなことだと思います。

ヴォルフガングは設計部の同僚で主に腕時計のケースや金属ベルトの設計を担当していますが、元は精密機械科出。この会社に入った頃はMusterbau量産前の試作作りが専門でしたので、この彼も昨日は午後に手伝いに来ました。僕が白衣を着て作業をしているのを見て、久しぶりに細かい手作業をしたくなったんでしょう。その抑えがたい衝動は僕にはよくわかりまして、隣で一緒に作業しました。ヴォルフガングが道具をもって作業しているのを初めて見たので面白かったです。

今作っている腕時計の個数はたったの3つです。この3つのためにいま会社は総力を挙げています。今日はKarfreitagってことでお休みでしたけど、明日は引き続き仕事です。明日は外注先の会社は休んでいるところが多いと思うので、上の3人のマイスターさんたちも、作業場で黙々と手作業をするんじゃないかなぁ、と明日の作業風景をいま頭に描いています。

0325追記:
またしばらく休みます。今日は雪が降って積雪20cmにはなりました。

0330追記:
めちゃくちゃ忙しいです。平日夜11時まで、土日も夜10時まで働いてます。会社の夜巡回している警備員さんに不審な目つきで見られて帰宅する毎日です。あさっては会社で徹夜の作業になると覚悟してます。
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by furtwangen | 2008-03-22 08:04 | 黒い森の小さな町
2008年 03月 16日

久しぶりの外出

今朝は起きて、天気がよさそうだなぁ、ということで、以前から行ってみようと思っていたここのKreishauptstadt郡庁所在地ロットヴァイルへ行ってきました。僕の住んでいるこの小さな町から出るのは実に2ヶ月ぶり。土曜日はついつい寝坊をしたくなって、この街から出るバスに乗れない。日曜日はどこへいっても買い物ができず、街は死んだように静かになってますから、わざわざ時間とお金をかけてまで遠出はしたくない。そんなこんなで、もう2ヶ月もこの町にじっとしてたわけですが、さすがにそろそろどっかほかの街に行ってみないと、精神的にも不衛生な感じがして、それで今日出かけたわけです。

久しぶりに町を出るというのも嬉しいものですが、行ったことのない街に行くというのも、ずいぶん久々な話で少しワクワクしました。もちろんバスで行くんですが、その路線バスがどんな景色のところを通って、どのぐらい深い森の中を走るのかなぁとか、そのロットヴァイルの近くまで来て、どの辺から「おー、この街大きいな」って思わせてくれるかとか。それから隣の郡の郡庁所在地フィリンゲンはもう何度も行ったことあるから、そのフィリンゲンとどっちの街のほうがきれいかな、とか。

で、結局きょうロットヴァイルへ行って、かなり気に入りました(笑)。フィリンゲンよりいいかも。いや、フィリンゲンもなかなかいい街ですよ。古い建物が多くて、Stadtmauer街の外壁がとてもよく保存されていて。

でもロットヴァイルはフィリンゲンの良さに周りの景色の良さを足したような感じ。フィリンゲンと違って、ロットヴァイルは起伏のある街で、古い建物と建物の間から遠くの森の景色が見えたりして、その遠近感がよかった。
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僕の住んでいる町からの交通の便もそんなに悪くないから、これからは時々気分転換に街を徘徊しにいこうと思ってます。
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ロットヴァイルの標高
こういう表示があるとすぐに写真に収めたくなる質(たち)
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witzigな標識

0318追記:
まだ火曜日、今週は重い!
忙しいのでしばらく休みます。
今日は久しぶりに冷え込んで朝は雪がぱらついていました。
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by furtwangen | 2008-03-16 07:42 | 黒い森の小さな町
2008年 03月 13日

まだ水曜日

ということで、今週は時間の流れが遅い。いつもはあっという間に金曜日になるのに。

設計製図のほうはほとんど終わりました。ただ図面っていうのは修正がつきもので、寸法の与え方がおかしいとか、この穴の深さは?みたいに、あっちゃいけないんだけど、やっぱり一人でやってるからうっかりミスはどうしてもある。でも今日までにその修正のヤマも越えたと思う。
図面は社長さんから工場の現場のひと、それこそ本当の職人さんみたいなひと、全部で9人に、今回の時計の図面をすべて配っています。ってことは修正をした図面も同じものを9枚刷って、「また変更です。すいません」みたいな気持ちで一人一人に配る。コンピュータ制御でつくらせるものならいいけど、旋盤を回して手で作ってもらっている部品なんかもあって、そういう部品の寸法を変更するのは、ほんと、申し訳ないです。「もう作っちゃったよー」なんていわれると、グサッとくる。

今は二日おきに設計と現場、それにこのプロジェクトをどんどん前に進める人が集まる技術会議があります。僕はそのときに変更図面を配るので、まぁその前はそれなりに、ちと大変になります。

明日はdringendな用件が2つもあって、どっちも工作のときに必要なVorrichtungジグの設計。難しくはないんだけど、あの人とこの人の言っていることが違って、それで今日は時間を無駄にした。そのジグに必要な要件が人によって違うんだけど、ともかくdringendであることには変わりない(笑)
そのあと、ある部品の測定をする予定なんですが、実は今日もうやったんですよ。そうしたら、とっても気持ち悪い結果が出てきたんですよ。その結果が本当に気持ち悪いものなのか、どのくらい気持ち悪いものなのかを、あしたもう少し心落ち着けて、慎重に慎重に検査してやろうというわけです。
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by furtwangen | 2008-03-13 07:24 | 黒い森の小さな町
2008年 03月 05日

君の豚が鳴いている

いくら外国に長くいて日本語を使わない環境にいても、語学の才がなければ言葉は上達しない、ということを日々証明しながら生きている僕ですが、今週はもう2つもドイツ語を覚えてしまいました。

ひとつは昨日の昼食の時だったかなぁ、ウテがハンスに、「どう?それおいしい?」って聞いたときにハンスが
「んー、undefinierbar」({まずくはないんだけど、美味くもない}なんとも言えないなぁ)
って答えていた。言っている意味はすぐに分かったけど、へー、そういう風に言うんだ、って思ったです。
僕は理系だからか、definierenと聞くと、Definition「定義」っていう意味がまず頭に浮かぶ。
そういう意味でしか捉えていないから、逆に面白く感じるのかもしれないけど、
un(否定)+definieren+bar(可能)で、「定義しかねる」これを算数の世界で使うなら当然と思うけど、料理の味にも使えるのか、と思いました。算数の世界での「定義」っていうのは本当に客観性のあるときに使うけど、「味」みたいな人の好みに依存しそうなことに「定義」っていうニュアンスの言葉を使うのが僕には新鮮でした。

それから今日、そのハンスが隣のフォルカーのところの電話が鳴ったときに、席をはずしていたフォルカーをこう呼んでました。
「フォルカー!Dein Schwein pfeift!」(君の豚が鳴いてるよ!)
君の豚が鳴いている、つまり 君の電話が鳴っている。
もしその電話が今日唯一の、そして待ちに待った楽しみな電話だったら、たぶんこうは言わないと思います。そうじゃなくて、受話器を置くと、またすぐに電話が掛かってきて、そういう繰り返しで「少しは落ち着いて仕事をさせろ!」ってフォルカーは怒ってるわけ。それでちょっと席を離れたら、また電話が掛かってきて、フォルカーにしてみればまさに こん畜生!なわけで、それをハンスが からかって、君の豚がpfeifenしてると。pfeifenだから、ぴゃーぴゃー懲りずに鳴いているよ、っていう感じでしょうね。

0307:Pekoさん
そこまで先を読んでくれれば、僕もこの記事を書いた甲斐ありというものです。sehrの意味でsauを使うときはやっぱりネガチブなイメージを作り出すでしょうね。「豚寒い」も「クソ寒い」って感じでないでしょうか。もし自分のために食事を用意してくれた人に、「これ、とってもおいしい!」ってほめたいときsaulecker!っていったらたぶん気分悪くするんじゃないかなぁ。Sauついでに書くと、だいたいこの言葉はあまり上品な感じの言葉じゃない中かで、最近ファスネットのときに聞いた少しまじめそうな意味でSaublaser。ファスネットの行列で、豚の膀胱(?)を風船みたいにしてもって歩いている人がいるけど、あのこと。それから豚ついでに言うと、豚は幸運を運ぶ、みたいなイメージもあるみたいですよ。豚の貯金箱とかあるでしょ。
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by furtwangen | 2008-03-05 08:08 | 黒い森の小さな町
2008年 03月 02日

精密機械工のおじさん

火曜日にクリスティアンと一緒に、材料を加工してくれる工場(こうば)に行きました。かなり複雑でかつ精密な加工をお願いするのですが、なんといっても緊張するのは、僕の描いた図面を現場の人に見てもらって加工が可能かどうか少し意見を聞くことです。いままで自分の作業のためにしか図面を描いたことがなくて、人様に頼むとなると、やっぱりちゃんとした図面を描かないといけないです。おっかないお兄ちゃんだったらこんな図面見せたら門前払いかなぁ、とか思っていきましたが、ものすごく人のいいおじさんで助かりました。

いや、実は僕の先生とそのおじさんが親しくて、先生がアポイントも取っておいてくれていたから門前払いを食らう心配はなかったんです。それから今の時代、そのおじさんが「この道40年」って感じで作業、加工するんじゃなくて、コンピュータ制御の機械が加工します。そのためのデータをあらかじめメールで送っているので、図面はなくても加工は始められます。(そういう時代なんですね)だけどやっぱり図面がないと加工物の検査が出来ないですし、おじさんたちの作業で「勘違いしてないかぁ」なんていうときに図面があると簡単にチェックできますから、やっぱり必要なんです。

で、「うちは家族経営の工場(こうば)なんだ」ってそのおじさんがいってるんだけど、本当にいいおじさん。自宅の地下に工場があって旋盤やフライス盤、それから完全自動制御みたいな感じのフライス盤などいろいろなものがありました。「うちは、僕がものを作って、妻が出来上がった製品の検査と事務仕事全般。息子はいま機械工学を大学で勉強していて(ここでおじさん嬉しそうにほほえむ)、娘は職業訓練学校(間違いなく僕の出たSchwenningenの学校)で精密機械科のAusbildungを受けているんだ」って。まんまるした体で、ちょっと照れながらでも本当にうれしそ。主に設計段階の試作品を加工するのが専門で、量産はしないって言ってたです。こじんまりした工場で、もちろん彼は精密機械工のマイスター。まじめにその道を歩んできてマイスターになって、その道で独立して家族を養っていけてるなんてすばらしいことだと、お願いする加工品のことよりそっちのほうに感心してしまいました。
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by furtwangen | 2008-03-02 08:20 | 黒い森の小さな町
2008年 03月 01日

防空壕

久々の更新です。書く事がないのではなく、単純に時間がないのであります。そうなんです、僕、いま珍しく忙しいのであります(笑)
一昨日だったか、昼食をKantine社員食堂でとったあとヴォルフガングやウテと一緒に、文化ーを見に行きました。

文化ー、ブンカー、Bunker(防空壕)。(ボキャ貧の僕はいつもこういう思考回路で人の話を聞いています)

僕のいる会社は歴史が古く、建物も古いまま。それとこんもりした山に接するように建物が建っています。それで、第二次大戦のときに従業員だか、町の人のためか知らないですけど、当時作った防空壕の入り口が建物の一階の資材置き場にあるんです。薄暗くてかなり気味が悪いんですけれども、みんなも入っていくことだし、ちょっと面白い。(日本でいう)一階から建物に入って、そのまま階段で下に下りることなく、その階のレベルに防空壕があります。山に隣接しているので、その山の中に(まさに中に)入っていく感じで、勝手にいつの間にか地下になっています。

鉄の二重扉が入り口。中は地面が平らで、レンガをかまぼこ型に積み上げたようなトンネル。なかなか広くて、空襲警報か何かで緊急に人を押し込めば、200人くらいは立った状態で収容できそう。そのくらいのかまぼこ型の空間が、右に左に、ときには通路を介してモグラのトンネル状に掘られている。先に逃げ込んだ人からどんどん奥のトンネル部屋に入っていったのかな、なんて、裸電球だけがたよりで、やっぱり戦争の時にはここに逃げ込めても随分不安だったろうな、とちょっと重い気持ちにまりました。

それで3番目くらいのトンネル部屋にTrinkwasser(飲み水)って書いてあったですけど、かまぼこ型の壁に70cm四方の窓穴があいていてそこに地下水がチョロチョロ流れている岩肌が顔を覗かせていました。流量は決して多くはないけど、当時ここに避難してきた人にとっては、恵みの水だったろうな、と流れる水でゆれる岩肌をみながらとても感慨深い気持ちになりました。奥二つの部屋はもう電気がつかなくてかなり気味が悪かったです。

あとでローラントに聞いたら、この会社にはほかにも5つくらい同じような防空壕があるんだって!びっくり。で、やっぱり当時実際に使われたと言っていました。
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by furtwangen | 2008-03-01 07:46 | 黒い森の小さな町