2006年 10月 12日
今週はどうも調子がいい(笑)。なぜかというと、工場で実際に作業しているから。手を実際に動かす作業になると僕は強い。学校が始まってからの2週間、学校のことや今後の予定について口で説明、耳で理解する時間が多かった。そういう時間は体中が劣等感の塊でどうも元気が出ない。ところが実際の作業になると、ドイツ語力の占める割合が激減して、先生が作業をしているのを注意深く観る力、手先の器用さ、そういうのがグッと重みを増してくる。僕の工作能力がどれくらいかは知らないけれど、ともかく作業に夢中になれる。午後も眠くならないで、あっという間に終業時間が来る。精神的にとてもありがたいことです。 時計旋盤で軸の削り出し。 左から棒が突き出ていて、途中から段欠きになって細くなってるでしょ。この細くなっている部分をドイツ語でZapfenといいます。このZapfenの径はca.0.5mmです。後にくる仕上げの作業を考慮すると、旋盤で仕上げる直径を最小で0.49mm最大で0.50mmにしないといけません。この0.49mmと0.50mmの差0.01mmをToleranz許容差といいます。旋盤仕事が大変か否かは、削り出す部品の小ささではなく、このToleranzの大きさにかかってきます。Toleranzが0.01mmというのは時計部品を作るときによくあることですが、非常に注意深くやらないといけませんし、このToleranzの連続だと本当に疲れてしまいます。Toleranzが0.02mmなら、まぁ、まじめに削っていれば達成できますし、0.04mmもあったら、もうその数字を見ただけで嬉しくてにっこりしてしまいます。このToleranz(ともちろん時間)との戦いが、ストレスはたまりますが、夢中になれる所以です。
by furtwangen
| 2006-10-12 07:39
| マイスター学校@Schwenningen
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