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シュバルツバルトな毎日

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2009年 07月 12日

比較級のwie

今日は久しぶりにドイツ語の話。
それも、僕の住んでいる辺りのドイツ語。

以前、書いたかもしれませんが、ここの人はレストランのことをWirtschaftといいます。もちろんRestaurantといっても、皆理解してくれますが、実際の生活のなかで、Restaurantという言葉を耳にすることはほとんどないです。例えば、「フライブルクにはjapanisches Restaurantがあるか?」なんていうときには、Restaurantという言葉を使うのが自然だと思います。でも、ここでは日本料理に興味を持つ人など皆無ですから、そうなると、ほとんどRestaurantという言葉の出番がなくなります。

このWirtschaftという言葉(意味)がここの方言なのかどうかは知りませんが、もうひとつ、方言かどうか定かでない例に、形容詞の比較級の文章で使うwieがあります。

標準ドイツ語では比較級に続く比較対象を接続詞(?)alsで繋ぎますが、ここでは普通wieを使います。
例えば、

Heute ist es wärmer wie gestern.

これを会話のペースで聞くと、比較級のあとにwieが来ることの違和感と共に、「今日は昨日と同じくらい暖かいのか」、という理解が一瞬頭を過ぎります。wieと聞くと「同等」、算数記号でいうと「=」みたいな印象があるからです。

このwieの用法は、独和辞典をみると、wieの項の最後のほうに出てきます。だから、ほかの地域でもそういう用法があるのかもしれませんが、少なくとも僕の周りでは比較級の接続詞としてはalsよりもwieの方が数倍巾を利かせています。

Das muss kürzer sein wie die andere.

なんて言われて材料を渡されると、andereと同じくらいの長さに切ってくればいいのか、Andereより短く切ってこないといけないのか、一瞬躊躇してしまいます。

ついでに、いま小学館の大独和でちょっと気になる例文を見つけました。形容詞の比較級がない文なので、単純に比較はできませんが。

Die Sache verhält sich gerade umgekehrt, wie (=als) Sie denken.

この例文に対して、「事態はあなたがお考えになっているのと全く逆なのです」という訳文が与えられています。als
が使われているのなら、この訳文に賛成です。でもwieなら、場合によっては「...あなたがお考えになっている様に...」とも解釈できるような気がするのですが、どうなんでしょう。

by furtwangen | 2009-07-12 05:04 | 黒い森の小さな町


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